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膝の痛み|鵞足炎

テーマ② 湿布・注射・リハビリで改善しない

湿布・注射・リハビリをしても鵞足炎が良くならない…その本当の理由とは?

DATAと科学で解説します
  • 病院に行くたびに水を抜いてもらうが、またすぐ溜まる
  • 湿布を貼り続けても、根本的には変わらない
  • 注射を打っても、効く期間がどんどん短くなってきた気がする

こんな経験を繰り返していませんか?

「また同じだよね…」という繰り返しに、疲れていませんか?

その繰り返しが続く理由は…

「痛みを抑える」と「原因を取り除く」は、まったく別のことだからです。

※医学的なエビデンスをもとに、わかりやすく解説します。


【DATA01】湿布・鎮痛剤が効かない理由

湿布(外用消炎鎮痛剤)鎮痛剤(NSAIDs)は、プロスタグランジンという炎症物質の産生を抑えることで痛みを和らげます。

急性の炎症期には一定の効果がある、医学的な根拠のある処置です。

しかし、3か月半年・1年以上続く慢性の鵞足炎では話が変わります。

湿布・鎮痛剤の作用と限界

項目 内容
作用 炎症物質(プロスタグランジン)の産生を一時的に抑制
有効な場面 急性炎症期・痛みが激しいとき
限界 骨盤のゆがみ・筋肉バランスの乱れなど「原因」には未アプローチ
結果 原因が残るため、炎症が繰り返し起きる

 

慢性的な鵞足炎が繰り返される背景には、次のような「原因」が解決されていないことがあります。

  • 骨盤・股関節のゆがみで膝の内側に慢性的な偏った負荷がかかり続けている
  • 内側ハムストリングスや内転筋が過度に緊張し、鵞足部を常に引っ張っている
  • 歩き方・立ち方のクセで、特定の膝だけに負担が集中している
  • 足首・足裏のアーチ崩れ(回内足)が膝への連鎖的な悪影響を与えている

湿布でこれらの原因を解決する事はできません。

だから、しばらくすると同じ場所に同じ炎症が戻ってくるのです。

※重要ポイント

  • 湿布・鎮痛剤は「痛みを感じなくさせる」処置。根本原因には直接アプローチできない
  • 「楽になった=良くなった」ではなく、痛みの信号を一時的に弱めているだけ
  • 慢性的な鵞足炎ほど、原因を正確に見極めたうえでのアプローチが不可欠

【DATA02】注射(ヒアルロン酸・ステロイド)で変わらない理由

鵞足炎への注射には、主にヒアルロン酸注射とステロイド注射の2種類があります。

どちらも医学的な根拠のある処置で、「打ったらしばらく楽になった」という経験は事実です。

しかし、打ち続けても根本解決しないケースが多いのはなぜでしょうか?

注射の種類と効果・限界
注射の種類 主な効果 限界
ヒアルロン酸注射 関節内の潤滑補充・炎症緩和 全身のバランス問題には届かない
ステロイド注射 強力な抗炎症・即効性 繰り返しによる腱の脆弱化リスク、「3回まで」の制限が多い

鵞足炎に対するステロイド注射の効果に関する研究(Manca et al.)では、「短期的には有効だが、回復には10日から36ヶ月と非常に幅がある」と報告されています。

つまり、効く人もいれば、ほとんど変わらない人もいるということです。

【出典】Manca A et al. J Altern Complement Med. 2016

また、慢性疼痛治療専門医も「ステロイド注射は3回まで」と制限を設けることが多く、繰り返しの使用による腱の脆弱化リスクについても注意が必要とされています。

【出典】奥野祐次(慢性痛治療専門医)Q&A

※重要ポイント

  • 注射が届くのは「炎症を起こしている局所」だけ
  • 体全体のゆがみやバランスの乱れという「大元の原因」は変わらない
  • 「注射で楽になる期間がどんどん短くなってきた」は、この流れのサイン

【DATA03】水を抜いても繰り返す理由

2ヶ月に1回、水を抜いている
というあなたに、
大切なことをお伝えします。

膝に水が溜まるメカニズム
段階 内容
正常な状態 関節内にわずかな関節液があり、軟骨に栄養を届け動きをなめらかにする
炎症が起きると… 体が炎症を抑えようとして関節液を過剰に分泌する
水が溜まった状態 関節液の過剰分泌=関節内で炎症が起きているサイン

 

水を抜く処置(関節穿刺)は、溜まった関節液を出すことで膝の重だるさを取り除く処置です。

しかし、水を抜いても「なぜ炎症が起きているか?」という問いには答えていません。

炎症の原因が残ったままである限り、体は再び関節液を分泌し続けます。

だから、抜いてもまた溜まる。

その繰り返しになるのです。

さらに研究データが示す重要な事実があります。

変形性膝関節症の重症度と鵞足炎の大きさには正の相関関係があることが超音波検査による研究で確認されています。

つまり、膝の状態が悪化するほど鵞足炎も悪化しやすく、放置すれば負のスパイラルに陥るリスクが高まります。

【出典】Uysal F et al. Clin Rheumatol 2015

重要ポイント

  • 水を抜くことは「対処」であって「改善」ではない
  • 2ヶ月おきに水が溜まる=2ヶ月おきに体が「ここに問題がある」とサインを出し続けている
  • 「水が溜まるのが普通」という状態を、当たり前と受け入れないでほしい

【DATA04】リハビリ・マッサージで良くならない理由

「整形外科でのリハビリや整骨院でのマッサージを受けても変わらない…」

という方も少なくありません。

その大きな理由は「痛みのある場所だけにアプローチしている」という問題です。

「痛い場所≠原因の場所」という医学的な事実

足のクリニック表参道の専門資料でも「鵞足炎は膝そのものが問題ではなく、足のアーチ崩れが膝に悪影響を与えて発症することもある」と指摘されています。

足のアーチが崩れると「knee in toe out」の状態(膝が内側に入り、つま先が外を向く)になり、鵞足部が過度に引っ張られます。

【出典】足のクリニック表参道「鵞足炎」

また、ZAMSTのスポーツ医学資料でも…

「股関節の外転筋・外旋筋(中殿筋・大殿筋)を鍛え、内側ハムストリングスと内転筋のストレッチを行うことが鵞足炎の予防策になる」と明記されています。

これは逆に言えば、股関節や足の機能が低下することで鵞足炎が引き起こされるということです。

【出典】ZAMST SPORTS MEDICINE LIBRARY「鵞足炎」

 ※足首→膝→股関節→骨盤

これらの連鎖の中で問題を捉えなければ、慢性の鵞足炎は解決しません。


【DATA05】慢性化する本当の原因は「脳と身体の誤作動」

中枢感作(ちゅうすうかんさ)
神経可塑性(しんけいかそせい)

慢性の鵞足炎が良くならない、もうひとつの大きな原因があります。

それが「中枢感作(ちゅうすうかんさ)神経可塑性(しんけいかそせい)」です。

日本における慢性疼痛の全国調査(Pain in Japan 2010)では、慢性疼痛の有病率は全成人の22.5%、推定患者数は2,315万人にのぼることが報告されています。

そして、処置を受ける慢性疼痛患者の65%が治療の有効性に完全には満足していないという現実があります。

【出典】矢吹省司 他:日本における慢性疼痛保有者の実態調査 Pain in Japan 2010. 臨床整形外科 47巻2号

なぜ、これほど多くの人が満足できていないのか?

その理由のひとつが、慢性痛の本質に「中枢神経系の変化」が関わっているからです。

慢性疼痛ガイドライン(日本)でも「慢性疼痛の病態には疼痛感作(末梢感作および中枢感作)が関与しており、その機序として繰り返しの刺激で変化する神経の可塑性が起こっているためと考えられている」と明記されています。

【出典】川口善治:慢性疼痛の種類と疫学. 愛知県医師会誌 2022

つまり、痛みが長期間続くと、脳と神経系に「この状態が普通」という誤った記憶が刻み込まれ、組織の炎症がある程度落ち着いていても痛みが続き続けるのです。

これが「どこへ行っても良くならない」慢性痛の本質です。

 

※重要ポイント

  • 慢性疼痛の有病率は全成人の22.5%(約2,315万人)
  • 治療を受けている慢性痛患者の65%が効果に満足していない
  • 慢性化した鵞足炎には「脳・神経系への誤作動へのアプローチ」が欠かせない

【まとめ】慢性の鵞足炎に必要なのは「原因へのアプローチ」

「痛い場所≠原因の場所」

アプローチ 作用 限界
湿布・鎮痛剤 炎症物質の産生を一時的に抑制 原因(体のゆがみ・バランス)には未アプローチ
ステロイド注射 局所の炎症を強力に抑制 全身のバランス問題には届かず、腱の脆弱化リスクも
水を抜く処置 圧迫感・重だるさを一時解消 炎症を引き起こす根本原因は変わらない
リハビリ・マッサージ 局所の筋力強化・筋緊張緩和 体の連鎖・神経系へのアプローチが不足しがち

 

  • 年齢のせいだから仕方ない
  • もう一生水を抜き続けるしかない…

と諦めないでください。

慢性化した鵞足炎の本当の原因は…

  • 全身の構造的・機能的なアンバランス
  • 神経系の誤作動(中枢感作)

にあることが現代の疼痛科学研究で明らかにされています。

その原因を丁寧に見つけ出し、身体全体から整えていくことで、繰り返しから抜け出せる可能性があります。


あなたの状態はいくつ当てはまりますか?

  • 湿布を貼り続けているが、根本的に変わった実感がない
  • 注射の効果が以前より短くなってきた気がする
  • 2〜3ヶ月に1回、膝の水を抜いてもらっている
  • 整形外科で「異常なし」「年齢のせい」と言われた
  • リハビリに通ったが、劇的な変化がなかった
  • 痛みが半年以上続いている
  • 「手術しかない」と言われたが、できれば避けたい

1つでも当てはまる方は、ぜひ一度ご相談ください。


岐阜羽島で「鵞足炎の本当の原因」から向き合う整体

治療院空海では、時間をかけたカウンセリングと全身の検査から、鵞足炎の「本当の原因」を丁寧に見極めます。

「1回で痛みが改善した…」という方も多くいらっしゃいますが、空海が大切にしているのは痛みを取ることだけではありません。

  • なぜその痛みが起きたのか
  • 再発しないためにどう変えていくか
  • 生活習慣・姿勢・身体の使い方を含めてどう整えるか

これらを一緒に考え、「二人三脚」で健康を目指します。

「どこへ行っても良くならなかった」という方こそ、一度ご相談ください。

【参考文献・情報源一覧】

本記事は以下の情報源をもとに、施術歴12年・延べ6万人の臨床経験を踏まえて治療院空海が作成しました。

  • Uysal F et al.: Prevalence of pes anserine bursitis in symptomatic osteoarthritis patients. Clin Rheumatol 2015;34:529–533
  • Manca A et al.: Pes Anserine Bursitis in Symptomatic Osteoarthritis Patients: A Mesotherapy Treatment Study. J Altern Complement Med. 2016
  • 奥野祐次(慢性痛治療専門医):鵞足炎 Q&A
  • 矢吹省司 他:日本における慢性疼痛保有者の実態調査 Pain in Japan 2010. 臨床整形外科 47巻2号
  • 川口善治:慢性疼痛の種類と疫学. 川崎高津診療所紀要 第4巻2号 2023
  • 足のクリニック表参道「鵞足炎」
  • ZAMST SPORTS MEDICINE LIBRARY「鵞足炎」(医師監修)

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。

個別の症状については専門家にご相談ください

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